Franklin Planner Time Management Magazine

2025.03.25

知的生産性を高める手帳術

知的生産性を上げるには、日々の知識の収集と知的思考力を上げるトレーニングが必要なのは言うまでもありませんが、手帳の持つ計画性とタスク管理の機能をうまく活用して、知的生産性を上げることも可能です。

営業職にしろ、生産部門にしろ、あるいは、管理部門や研究部門にしても、「生産性を上げろ」とはよく言われることです。

生産性を上げるとは、より少ないリソースで、より多くのアウトプットを出すことですが、もちろん、やみくもにアウトプットを出せばいいということではありません。付加価値を持ち、最終的には収益につながるものでなければなりません。

ものづくりや生産現場では、製造工程が見えるため、生産性は理解しやすいと思いますが、問題は、多くのビジネス・パーソンが従事する知的労働における生産性です。

実際に、同じリソースを使っているように見えて、企画書や報告書をつくるのが早い人、同じ時間を使っているのに、アウトプットした企画やアイデアのクオリティが高い人、短い会議の時間でチームメンバーの意見をまとめ、方向性を打ち出す人、同じような作業を繰り返さない人、など、頭の回転の早さや手際の良さ、仕事の組み立てがうまい人は、少数ながら存在します。こういう人のことを、知的生産性が高いと言いますが、これからのキャリアや仕事内容に大きな影響与えます。

この知的生産性は、頭の中のことが大半なので(PC、ITスキルの問題はあるにせよ)、どのようにすれば、早くてクオリティの高いアウトプットを出すことができるのか、なかなか標準化できないのが現状なのかもしれません。

知的生産性を上げるには、日々の知識の収集と知的思考力を上げるトレーニングが必要なのは言うまでもありませんが、手帳の持つ計画性とタスク管理の機能をうまく活用して、知的生産性を上げることも可能です。

・準備に時間をかける

知的生産性を上げるには、作業のやり直しや中断によるロスをできるだけ避けたいところです。やる仕事の目的、必要なリソース、関係者への確認など、準備や初期段階のプランニングが、質と時間を決める大きな要素です。できるだけ早く仕上げようと、すぐに行動に移したい気持ちは分かりますが、計画と準備に時間をかけ、不安がある部分に関しては確実に対処しておく必要があります。

・日頃からのインプットを増やす(インプット時間を計画する)

日頃から知識を蓄積している人には、どれだけ付け焼き刃的に情報を詰め込んだところで、かなうわけがありません。ベースとなる知識と情報、あるいはネットワークがあることで、アウトプットの幅も広がります。知識を蓄積するためには、たとえば、金曜日の7時から9時までは、情報収集と知識の整理時間としてスケジューリングするなど、普段から情報収集を計画しておくことが大切です。

本当にその仕事に集中しているかどうかで、知的生産性は大きく変わることは、皆さん、実感されていることでしょう。ただし、集中の仕方は、人それぞれであり、これをやれば集中できるという万能薬はありません。ポモドーロ・テクニックでは、25分単位で集中することを勧めていますし、ピーター・ドラッカーは、時間を効率的に使うためには、時間をまとめろと言っています。「タイム・ブロック」として時間を区切り、周囲からシャットアウトすることを勧める人もいます。また、朝が集中できるという人も夜がいいという人もいます。要は、自分にあった方法で集中できる方法とやり方を見つけることが大切です。

・アウトプットへのプロセスのパターンを持つ(得意の思考フレームを持つ)

アウトプットの内容にもよりますが、自分の得意な思考フレームを持つのも有効な方法です。これも人それぞれ好みがあります。マッピング的なものが好きな人もいれば、ロジックツリーがしっくりくる人もいるでしょう。まず、いろいろな方法を試して、自分に合った方法を見つけることが重要です。フランクリン・プランナーでは、さまざまなアウトプットに対応できるように、「マスター・フォーム・パック」の中に20のフレームワークを用意しています。(https://www.franklinplanner.jp/idea/howto/img/mfp-fw.html)

・完成度はともかく、時間内に必ず仕上げる

クオリティの評価は、主観やそのときの状況によっても左右されますし、特に戦略的な選択に正解があるわけでもなく、絶対的な評価というものは存在しませんが、時間という基準は客観的な評価です。また、時間を守るという評価は、依頼者に安心感と信頼感を与えることにもつながります。必ず時間内に仕上げる(できれば予定より早く)という習慣を身につけるべきです。

・アウトプットにフィードバックをもらう

出したアウトプットに対してフィードバックをもらい、次回につなげることも大切なことです。他者の視点は、自分にはない視点を補完することになるため、クオリティの向上に必ずつながります。また、アウトプットに関することだけでなく、進め方やプロセスについてのアドバイスも、次の仕事にとても役立ちます。

知的生産性を上げるためには、さまざまな方法、アプローチがありますが、「知的生産性を上げたい」という意欲と意識を持ち続けることが、何よりも大切なことです。

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