Franklin Planner Time Management Magazine

2025.05.20

時間貧乏からタイムリッチになるポイントとは

前回のコラムでは、多くの人が陥りやすい「時間貧乏」の症状や原因について紹介しました。 では、時間貧乏に陥らないようにするためはどうすればよいのでしょうか。

前回のコラムでは、多くの人が陥りやすい「時間貧乏」の症状や原因について紹介しました。

では、時間貧乏に陥らないようにするためはどうすればよいのでしょうか。

お金がない「貧乏」な状況と同様に、時間が不足している状態を「時間貧乏」と呼びますが、忙しいと感じているにもかかわらず、結果としての生産性が上がらず、充実感もない状態です。

逆に、時間的な余裕を感じ、あくせくせず、計画通りの成果を上げ、精神的にも充足感を感じている状態を時間貧乏の逆、「タイムリッチ」と呼びます。このタイムリッチの状態になるためのポイントを考えてみましょう。

時間の価値を認識する

なによりも最初に、時間は私たちにとってかけがえのない資源だということを心から認識することです。一度使ったら二度と取り戻すことができません。私たちは皆、1日に同じ24時間を持っていますが、お金やモノと違って、一度失ったら取り戻すことはできません。時間をどのように使うかによって、仕事における成功やプライベートでの充実感や満足感が決まります。まずは、時間は唯一無二の資源であり、失ったら取り戻せない時間の大切さを十分に理解することが必要です。私たちに無駄にしていい時間などないのです。タイムリッチの人は、「ひまつぶし」という言葉とも無縁です。

時間の価値を十分に認識できたら、時間を使うことに対する戦略的な方法を自分なりに決める必要があります。よく「時間管理の方法はこれで決まり」的な内容をそのまま真似てしまうケースもありますが、時間に関して置かれている状況は、仕事の内容や家族での役割によって異なります。自分に合った時間管理の方法を築く必要があります。つまり、時間に対する投資をいかに行うかということになります。

実の成果と精神性の両方の充足が必要

タイムリッチの状態になるには、時間を使うことによって、実際に成果として価値を生み出すことと、精神的に充足感を感じながら時間を使うことの2つの側面があります。

・生産性を上げるための活動内容と時間を計画する

時間貧乏と感じる要因はさまざまありますが、中でも大きな要因のひとつが、一生懸命活動しているにもかかわらず、生産性が上がらない状況でしょう。自分自身が生み出す結果や価値が高まれば、多くの場合、充実感を覚えることができるようになりますので、どうすれば生産的な時間を作り出すかを探求していく必要があります。

活動を計画することは、多くの人が行っていることですが、通常は備忘録的に使っているだけだと思います。生産性を上げるための活動と時間を計画している人は、実際にどれだけいるでしょうか。多くの人は与えられた仕事や指示された仕事は期日までに一生懸命に対応しますが、「スキルを上げる」「やり方を変える」「知識を増やす」などの、より良い結果のための活動を計画している人は少ないでしょう。結局は、このような地道で小さな活動が、タイムリッチにつながる確実な方法です。

・重要と緊急のバランス

多くの人は、活動内容の優先順位を「緊急度」によって決めています。できれば1日1回は、「いま自分にとって優先順位の高いことは何か」について、重要性と緊急性のバランスの中で考えてみることも大切なことです。いつのまにか、重要ではないのに緊急だからという理由だけで時間を使ってないか、振り返ることも大切なことです。

どれだけ計画を立てても、予期していなかった指示や割り込みは入るものです。そのときに、自分にとって何が重要かわかっていれば、対応の仕方も自ずと変わってくるはずです。

重要度は人によって変わりますので、自分だけではなく、チームメンバーや上司や部下の立場に立って考えることも必要です。周囲の人のニーズがわかれば、思い切った委任や委譲ができるかもしれません。

・価値観に合った時間管理を行う

成果を出すだけでは、精神的な充足感を得ることができない場合もあります。自分の価値観とは合わないやり方をして、どれだけ成果を上げても、そこに充足感なく、むしろ罪悪感のほうが増えてしまうこともあります。

そのためには、自分の価値観を明文化しておくことです。明文化しないままであれば、「なんとなくいやな感じがする」と思いながらも行動してしまい、結局、成果が出ても満足できないということになってしまいます。

価値観は人によってそれぞれです。失敗しても挑戦することに意義を感じる人もいれば、正しいことをやることに正義を感じる人もいます。周囲の人が喜ぶことが、自分の満足につながる人もいます。自分は何を一番重視しているのか、自分自身に向き合うことはとても大切なことです。価値観を明文化し、自分が心から納得できる行動を継続することができれば、タイムリッチを感じることにつながるでしょう。

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