Franklin Planner Time Management Magazine

2025.04.18

時間貧乏になっていませんか?  生産性が落ち、心身の不調にもつながる時間貧乏を防ぐ

多くの人が、「時間がない」「時間が足りない」と感じています。時間に渇望し、時間がほしいという時間貧乏という状態です。次の内容に思い当たる人は、時間貧乏の症状が出始めているのかもしれません。

多くの人が、「時間がない」「時間が足りない」と感じています。以前紹介した「セイコー時間白書2024」でも、「1日が24時では足りない」と感じる人の割合が過去最多になっており、70.8%が「時間に追われ」、60.8%が「1日24時間では足りない」と答えています。依然として、多くの人が忙しさを感じているようです。

まさに、時間に渇望し、時間がほしいという時間貧乏という状態です。次の内容に思い当たる人は、時間貧乏の症状が出始めているのかもしれません。

・指示がきたら、すぐに対応してしまう

期待に応えたいがために、指示がきたらすぐに対応してしまう人は、時間貧乏に陥りやすい筆頭かもしれません。その瞬間は相手も喜ぶため気持ちのいいものです。しかし、もともとやるべきだった仕事や自分自身の予定をあと回しにすることは、結果的にそれらの仕事が予定よりも押してしまい、「時間がない」状態に陥ってしまいます。指示や依頼事がきたら、自分の仕事のスケジュール、計画を確認し、冷静な判断のもと、いつ取り組むのかを判断し、依頼先に伝えることが大切です。

メールやメッセージに対してすぐに返信してしまう、返信していないことに不安になる、というのも同じです。こうした人は、送った相手からの返信がないと、それも不安になってしまい、さらにストレスをため込むことになってしまいます。

・予定がびっしり埋まっている

びっしりと埋まったスケジュールを見ると、忙しさに充実感、満足感を覚える人がいます。多忙感は、頼られているという錯覚をもたらすこともあるため、自分の存在感を再確認することにもつながるのかもしれません。また、「忙しい=仕事をしている」という意識かもしれませんが、忙しいと感じることが、仕事のアウトプットにつながるかといえば、まったくつながりません。むしろ、予定がびっしりのスケジュールは焦りや妥協を生んでしまい、生産性は落ちることが大半です。

同じようなことですが、予定の書かれていないスケジュール欄を見ると、不安になる人がいます。自分が必要とされていないのではないかという不安なのかもしれません。

・自由時間がない

OECD(経済協力開発機構)の定義によれば、自由時間が1日1.5時間未満の人々が時間貧乏に該当するそうです。仕事に加えて、家事、育児、介護などがあれば自分の自由になる時間などほとんどないという人も少なくないかもしれません。そして、自由時間がなくなると、次に減るのが睡眠時間です。ついつい、寝る前に何かしようとして、睡眠時間が減ってしまいます。当然睡眠が減ると、心身の調子が低下し昼間の生産性や気持ちにも悪影響を与えてしまいます。遅れを取り戻そうとして、さらに睡眠時間が減るという悪循環まで起きてしまうこともあります。忙しいと感じている人は、自分に自由時間はどれだけあるのか、定期的に確認する必要がありそうです。

・マルチタスクを好む

常に時間に追われていると感じている人は、多くのタスクを抱え、「あれもこれもやらなければ!」と常に感じていますので、往々にしてマルチタスクになりがちです。基本的に人は一度にひとつのことしかできないのですが、時間に追われている人は、集中力が続かないのか、ほかのことが気になるのか、何かを始めたとしてもすぐに違うことに手をつけたりします。当然、生産性もクオリティも落ちますので、仕事の時間は余計にかかってしまい、さらに時間がなくなるという悪循環に陥るわけです。

・スマホが手放せない

数十年前にはなかった症状の代表が、スマホです。今、電車に乗って周りを見渡すとわかりますが、乗客全員がスマホを見ているという状況も少なくありません。

中には、スマホでEラーニングや調べものをしている人、勉強をしている人、あるいは仕事の指示や考えをまとめている人もいるかもしれませんが、自分自身のことを振り返ると、だいたいが暇つぶしです。総務省情報通信政策研究所が令和6年に公表した「情報通信メディアの利用時間」によれば、20歳代の平日のネット利用時間は1日275分、休日は309分。40歳代でも平日、休日ともに1日176分で、完全に生活の一部となっています。

こうなると、暇つぶしというよりも、忙しさに関係なく、スマホを見ているという感覚かもしれません。むしろ暇つぶしだけに使用する分には大きな問題にはなりませんが、暇つぶしを超え、仕事にしろ、勉強にしろ、成果を生み出さなければならない時間にまでこのスマホ時間が占領してきているとしたら問題です。

多くの人が、このような時間貧乏の兆候を持っているのではないでしょうか。次回は、この時間貧乏を防ぐために、どうすればいいのかを考えてみましょう。

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