Franklin Planner Time Management Magazine

2025.12.19

マネージャーの時間管理 意志決定力を高める

マネージャーの仕事は一般職とは違い、意志決定の連続とも言えます。進むべきか撤退するべきかといった戦略的な大きな決断もあれば、業務上の専門知識で解決できる問題に対する意思決定もあります。また、トラブルやクレームに対して、どのような対処方法を取ればいいのかといった、今後の組織間の信頼関係や人間関係に影響を及ぼす意志決定もあります。マネージャーとして、どのように意思決定力を上げていけばよいのでしょうか。

マネージャーの仕事は一般職とは違い、意志決定の連続とも言えます。進むべきか撤退するべきかといった戦略的な大きな決断もあれば、業務上の専門知識で解決できる問題に対する意思決定もあります。また、トラブルやクレームに対して、どのような対処方法を取ればいいのかといった、今後の組織間の信頼関係や人間関係に影響を及ぼす意志決定もあります。

フランクリン・プランナーのタイム・マネジメントの背景となっている『7つの習慣』著者スティーブン・R・コヴィーや『TQ』著者ハイラム・スミスは、「選択」に関する内容として、自分自身の価値観や長期的な信頼関係を重視していますので、次のような判断基準を持つことが大切になるでしょう。

  • 解決策はさまざまな可能性から導かれた案か
  • 自分の根底にある価値観はどういう判断をするか
  • その意志決定(解決策)は、利害関係者間において長期的なWin-Winとなるか

そして、時間管理の観点から見れば、的確に、納得いく意志決定を短時間で行う必要があるわけですが、そのためには、意志決定の材料が自分の中に存在していなければならないことになります。上記の3つの判断基準を持つためには、それぞれ「業務上の専門知識」を備え、「自分自身の価値観」「利害関係者のニーズ」を深く理解しておくことが必要となりそうです。

つまり、意志決定力を上げるためには、普段から専門的な知識を備え、自分の価値観を明確にしておく必要がありますし、長期的なWin-Winがどういうものかを考えておく必要もあります。

「らしさ」をつくる

自分の価値観とは、自分のマネージャーとしてのスタイル、「らしさ」と言ってもいいかもしれません。よく、「○○さんだったら、どんな判断をするだろう?」と考えることがあると思いますが、まさに、その人のスタイルや価値観を反映してのことです。「○○さんはいつも正しいことをやろうと言っていた」「一年後のことを考えて行動しろ、が口ぐせだった」など、思い起こすこともあるでしょう。

逆に考えれば、「自分はどう言われているのだろうか」「これからは、このように言われたい」を考え、意識しておくことで、そのような言動をとることにつながります。自分の価値観や「らしさ」を日ごろから意識するために、できれば毎週、「今週は○○○○と言われる」というテーマで1週間の行動目標としてタスク欄に記入してはいかがでしょうか。

専門性を高める

通常、組織の中で信頼される人は、高い専門領域の知識を持っています。何かしらの意志決定が必要な問題が起きたときに必要とされるのはこのような人です。つまり、普段から専門的な知識や技術を身につける努力を続けている人は、意志決定にも長けた人ということになるでしょう。逆に、専門知識のない人の意思決定を支持されるはずもありません。

これも、広い意味で考えれば、スタイルやらしさの表れかもしれません。「この分野のことなら○○さんに聞けば問題ない」「この問題なら確実に解決してくれる」などの評価を得ることができれば、意思決定も尊重されるでしょう。技術的な背景や専門性を高めることで、ビジネス・パーソンとしての存在感を出しているわけです。

そのためには、日ごろからの準備を欠かすことはできません。これは毎週ではなく、できれば毎日のタスクに落とし込みたいところです。小さなタスクでもかまわないので、デイリー・タスク欄に「○○についてのデータを集める」「先輩社員の意見を聞く」「セミナーに参加する」などの専門性を高めるタスクを計画し、実行しましょう。

長期的なWin-Winの意思決定のために、信頼関係を築く

マネージャーの意志決定というのは、組織と部下の双方のニーズを満たす必要があり、さらに、対外的な顧客やパートナーのニーズも満たさなければならず、できれば、その意思決定が長期的なWin-Winをもたらしたいという、とても難易度の高いものです。しかし、マネージャーとしては、すべての利害関係者のニーズ(組織の取るべき戦略、部下のニーズ、クライアントの求めていることなど)を理解した上で、意思決定をしなければなりません。

ところが、現実的には、常にすべての利害関係者のニーズに応えられる解決策があることはほとんどありません。現状で最適だと思える判断をするほかありません。

そこで、マネージャーとしての判断に賛同をもらえるかどうかを決めるもの、それは信頼関係です。「あの人が決めたのだから仕方がない」「○○マネージャーの決めたことには従いますよ」といった声が出るとすれば、それはマネージャーにとって最大限の評価ではないでしょうか。

そして、その信頼関係を生み出していくのは、マネージャーとして誰もが認める価値観であり、専門知識であり、周囲の人々のニーズに応えたいという思いであることは間違いないことでしょう。

そういう意味では、今日のタスクリストに「信頼を得るために今日できること」を何かひとつ決めて実行することができれば、これからのビジネス・パーソンとしての生き方に、大きな影響を与えるでしょう。

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